宗教法人 日本テーラワーダ仏教協会 綱領

目次

1.仏教徒の心構え

「すべての人類にブッダの教えを伝えながら歩みなさい」とは、釈迦牟尼仏陀の戒めです。
我々は互いに慈悲といたわりの気持ちを抱き、釈迦牟尼仏陀の教えを皆に知らせるため努力します。
我々は幸福で安穏に過ごし、他人にも幸福と安穏を与えるよう精進します。
ブッダの教えを世界に広げ、すべての生命が平和に過ごせることを期待します。

2.当協会の目的

日本テーラワーダ仏教協会(以下「当協会」と称します)でいう仏教とは、現在最も古く完全な形で残されているパーリ経典に基づく釈迦牟尼仏陀の根本の教えです。当協会は釈迦牟尼仏陀の教えを自ら実践し、仏教を広め、根付かせることを目的とする。団体です。より具体的には以下を目的とします。

⑴ お釈迦さまが説かれた悟りへの道である八正道を実践します。
⑵ 心を清らかにする修行の機会を、すべての人々に提供します。
⑶ 八正道を実践するサンガの活動をお支えします。
⑷ 仏道を実践する人が活動し、交流する場として、お寺やオンライン上に、和合するオープンなコミュニティを創り育みます。
⑸ 仏教に関心を持つ人に向けて、ホームページ、動画配信、機関誌、SNS、出版物、講演会などを通して、広く学びと実践の機会を提供します。
⑹ すべての生命が尊重される調和した世界を築くために努力します。

3.継続・発展のための七つのルール

当協会が目指す目的を成就し、その運営が円満に行われ、後代まで活発に繫栄していくよう、釈迦牟尼仏陀が説かれた七不衰退法(『大般涅槃経』)に倣い、当協会の活動の指針として、七つのルール(協会の七不衰退法)をここに示します。

⑴ すべての人々に開かれたお寺であり、よく集まって親しく交流し、よく話し合いをします。
⑵ 和合と慈しみをすべての活動の土台とします。和合して集まり、和合して話し合い、和合して結論に達し、和合して活動します。
⑶ 一人でいるときも一緒にいるときも、仲間に対して、慈しみの思考、言葉、行為をします。互いの人格を尊重し、成長を喜びます。
⑷ 排他的にならぬよう自らを戒め、生命のネットワークの中で分かち合い、協力し合って柔軟に調和して、心清らかに生きることを目指します。
⑸ 釈尊の教えを変えることなく受け継ぎ、学び実践し、広め残すことに精励します。
⑹ 善友、長老、僧侶、年長者を敬愛し、素直に話に耳を傾け、賢者に賞賛される道徳・戒律などを大事に守り、三宝を拠り所として精進します。
⑺ 出家者に精舎へ来ていただくことができるよう、また、出家者が精舎で快適に過ごすことができるように、適切に対応します。また、日本にテーラワーダ仏教が根付くように、出家にふさわしい修行者を支援します。

4.会則

第1条(入会)

当協会の活動に賛同し、入会手続きをした方を会員とします。会員資格は1年毎に更新されます。

第2条(退会)

会員は、本人の申し出により、いつでも退会することができます。また、年会費の支払いが更新月に行われなかった場合、自動的に退会扱いとなります。

第3条(会員の除名)

次のいずれかに該当する行為をした場合、当協会はこの会員を除名することができます。

⑴ 当協会の名誉を著しく毀損したとき
⑵ 協会の七不衰退法に著しく反する言動を行ったとき
⑶ 第13条に定める禁止行為を繰り返し行ったとき
⑷ その他、当協会の目的に反する行為をしたとき

第4条(協会の事業運営)

協会の事業運営は、比丘サンガのご指導のもとに行われます。主にボランティアスタッフから選任された在家の責任役員・運営役員は、協会運営について全体的な問題を把握し、ダーヤカ会議にて検討決議して、事業運営に協力します。
当協会の様々な活動の多くは、ボランティアスタッフにより行われています。ボランティア活動は会員であれば誰でも参加が可能です。

第5条(役員の構成)

当協会には、以下の役員を置きます。

⑴ 代表役員(貫首) 1名
⑵ 責任役員 7名(代表役員を含む)
⑶ 運営役員 15名
⑷ 準運営役員 必要に応じて設置する

第6条(代表役員)

代表役員は、当協会の最高責任者として、当協会を教え導いてゆく役職です。原則として、責任役員の出家比丘のうちから責任役員の互選によって選任されます。代表役員に選任された出家比丘は「貫首」と呼ばれます。

第7条(責任役員)

責任役員は、出家比丘および運営役員のうちから比丘サンガの推薦を受けて、運営役員会の議決により選出されます。責任役員の定員は7人(基本的に、出家比丘が4人、在家が3人)です。その任期は2年で、在任期間は7月1日から翌々年6月30日までとします。但し、再任は可能です。
責任役員は協会及び第三者に対する損害について法的責任を負う立場にあります。

第8条(会長・副会長)

会長は当協会の在家の代表として、代表役員を補佐し、協会の運営・事務に携わります。また、協会が雇用する職員を指揮監督します。副会長は会長の職務を補佐します。会長・副会長は、在家の責任役員のうちから比丘サンガの推薦を受けて、運営役員会において承認されます。定員は、会長は1人、副会長は必要に応じて適宜決定されます。

第9条(運営役員・準運営役員)

運営役員は、協会活動でリーダーシップを発揮している人材で、出家比丘、在家の準運営役員または会員のうちから比丘サンガの推薦を受けて、責任役員会の議決により選出されます。定員は15人です。その任期は2年で、在任期間は7月1日から翌々年6月30日までとします。但し、再任は可能です。なお、責任役員と運営役員の改選は急激なメンバーの変化を起こさないように年度をずらし交互に行われます。 また、必要に応じて準運営役員を置くことができます。準運営役員は補助的な立場であるため、議決権を有しません。原則として会員になって1年以上経過した者のうちから、責任役員または運営役員の推薦を受けた者を、ダーヤカ会議で選出します。準運営役員の定員や任期はありません。

第10条(ダーヤカ会議)

責任役員会と運営役員会は個別でも開催されますが、その両方を兼ねた会議をダーヤカ会議と呼びます。ダーヤカ会議は責任役員と運営役員、準運営役員によって構成されます。

第11条(総会)

当協会は、原則として毎年6月下旬に総会を開催します。総会では活動報告や会計報告、次年度の事業計画、貢献者への表彰、役員の改選報告などが行われます。総会は会員であれば自由に出席できます。

第12条(会計)

当協会の運営は、主にお布施によって成り立っています。当協会の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わります。

第13条(宣伝、勧誘、販売の禁止)

会員は、当協会を利用して、当協会の事業および活動と関係のない物品・役務の宣伝、勧誘、販売等はできません。

第14条(法話等の著作権)

当協会が主催する瞑想会、法話会、講演会で行われた長老の説法及び事前に準備された資料等の著作権はすべて当協会に属します。

第15条(会則の変更)

本会則の変更や本会則に定めていない事項について新たに設ける際には、ダーヤカ会議にて審議し、承認を受けた上で行います。

2025年6月28日
宗教法人 日本テーラワーダ仏教協会

[協会活動への参加のお誘い]

お釈迦様の教えに基づき、比丘サンガのご指導のもとに行う自主的な活動は、当協会の原動力です。悟りに向かう精神的な成長をもたらすと共に、生きとし生けるものの幸福と、社会への貢献につながります。仲間として一緒に活動しましょう。各地で行われている様々なボランティア活動にご参加ください。活動を通じて生まれてきた企画に対する取組み手順を以下に記します。

⑴ 企画の提案

企画を提案する前に、他の会員と相談し、企画の目的や内容を練り上げます。地域の精舎やダンマサークルで実施できる企画(自主勉強会など)は、それぞれの場所に提案してください。協会全体に影響を及ぼす企画や、複数の精舎やダンマサークルが関与する企画は、ダーヤカ会議(役員会議)に提案してください。以下は、そのような企画を実施するための手順です。

⑵ 協議

①ダーヤカ会議は、提案を受けると、担当役員を指名します。
②提案者は、担当役員と連携し、提案内容について意見交換を行い、必要に応じて企画を修正します。
③企画の責任者を関係者から選出します。提案者自身が責任者になることも可能です。

⑶ 提案の決議

検討終了後、ダーヤカ会議は、提案の承認・不承認を決議します。承認する場合は、必要に応じて予算を割り当てます。お坊様のご出講を伴う企画は、スケジュール調整が必要になります。

⑷ 企画の実施

①提案が承認されると、責任者は、ダーヤカの担当役員と協力し、貫首・長老方のご指導のもと、企画を実施します。
②責任者は、定期的にダーヤカ会議に出席して、企画の進捗と成果を報告します。

⑸ ご指導・ご助言

①貫首・長老方からご指導やご助言を受けた際は、企画に反映させます。
②貫首・長老方と面談する場合は、事前に担当役員に連絡したうえ、企画に携わっている複数名で参加します。責任者は、その内容をダーヤカ会議に速やかに報告します。

問題発生時の対応

企画の実施中に問題が発生した場合、責任者はダーヤカ会議に連絡し、相談します。

終了報告

企画が終了した際には、責任者は貫首・長老方とダーヤカ会議に成果、反省点や改善点を報告します。