智慧の扉

2007年1月号

ブッダの道へようこそ

アルボムッレ・スマナサーラ長老

ブッダの道は真理の道です。ブッダの教えは、我々がとことん幸福に平和に安穏に幸せに生きるための具体的なアドバイスです。ブッダの言葉を聞けば、この世の中のだれもが幸福になります。そして、仏教は自由な世界です。「信仰せよ」と迫ったり、脅したりすることは一切ありません。

他の宗教では、「神が自分を讃嘆するために、人間を造ったのだ」と説いています。「人間の仕事は神様を讃嘆し、誉め称えることである。人間はそのために造られた」と聖書にも記されている。

一方、ブッダは純粋は慈しみと哀れみで、苦しんでいる我々に存在の法則を教えてくれました。「これは法則です。この法則を見て、自分たちの幸福を築いてください」と。ブッダは別に我々から何も期待しているわけではないし、ブッダを信仰しているからといって、お釈迦様は喜ぶわけではないのです。

「生命は苦しんでいるのです。その苦しみには原因があります。苦しみの現れる原因をなんとかして無くすことです。それにも確実な道があります。だから、それを実践してみなさい。私はその方法を実践して、今は完全たる幸福を達成しています。私の弟子たちもその方法を実践して、完全たる幸福を達成しています。『幸せになりたいけど、自信がない』『そんな話は疑問だ』というなら、その事実を見て信頼をして下さい」と。

仏教とはそういう教えなのです。だから皆さんは幸福を目指して、「できるところまでとことん成長するのだ」と目的を持って頑張ってほしい。個人的な小さな希望は置いておいて、とことん幸福を目指してほしいのです。

他人とうまく喋れるようになりたいとか、あがらないようになりたいとか、イライラしないで過ごしたいとか、そんなの目的としてはあまりにも小さすぎ。それが人生のすべてというわけではないのです。

だからブッダと、ブッダの教えと、ブッダの教えと出会って幸福になったたくさんの人々(仏・法・僧)とを信頼して、「とことん成長するぞ」という気持ちで、ブッダの道に足を踏み出してください。