智慧の扉

2007年10月号

智慧とは明るさ

アルボムッレ・スマナサーラ長老

あれが欲しいこれが欲しいと悩んでいるならば、それについて才能がないのです。能力があれば、そもそも悩まないのです。いくら願っても夢は叶いません。人生に必要なのは、夢ではなく、物事を理解する能力、明るく生きる能力です。お金の損ではなく、生きることに損しないことです。それも決して楽なことではありません。

嫌な気分になる条件は、人生にいつも付きまといます。その都度、どうやってニコッと笑っていられるかと挑戦することで、幸福に生きる資格を得るのです。「智慧とは明るさ」なのです。人生にはいつでも新しい条件が現れます。様々な状況で、どうやって明るく生きるか、という具体的なやり方は、一人ひとりで発見しなければなりません。人間はそもそも、心が汚れていて暗いのです。だから中々笑えないし、明るく生きられない。内面的な明るさを消さないように励んで、自分をガードすれば、こころが清らかになります。それは本格的な修行なのです。