ブッダの経営論
ビジネスリーダーの人間力
アルボムッレ・スマナサーラ長老
質疑7:女性が多い職場での悩み
Q:30代の男性です。女性が多い職場で勤務しているのですが、職場の人々とうまくコミュニケーションが取れずにストレスを抱えています。辞めた方がいいのではないかと迷っています。アドバイスを頂けないでしょうか?
A:女性はすごく怖い存在です。相手の立場を気にせず、キツイ言葉で文句を言ってくるのです。ですから、慣れていないとストレスが溜まることも多いと思います。しかし、女性が多い職場で男性が生きるすべもあるのです。それをお教えします。
まず、女性は男の言うことを聞きません。ですから、ぶつからないようにしないといけない。あくまで女性を立てないといけないのです。
実は、お釈迦さまも同じことおっしゃっているのです。女性との関係に悩んでいた男性に、「女性をいつでも立ててあげてください、褒めてあげてください」とアドバイスしたことが経典に記録されています。そのアドバイスを実践するための能力を男性は持っていますよ。世界で実際に主導権を握っているのは女性です。たとえ歳をとっても、男性はこの世界で生き延びるために、その「女性を立てる能力」だけは失ってはいけないのです。
ウソだと思うかもしれませんが、男性にうまく褒められると女性は見事にのりますよ。会社だからといって、ただ仕事すればいい、というわけではないのです。プラスアルファが必要です。同僚の女性にちょっと一言挨拶をするとか、ちょっと相手のことを気にするとか。すぐ笑ってくれる人がいるなら、つとめて笑わしてあげるようにするとか。そうやって何とかしなくてはいけない。
もっと簡単な言葉でいえば、職場のおばちゃんに「モテる」ことを考えて下さい。
ほんとうのことを言うと、根っこにある問題は、あなたが仕事を楽しんでいないことなんですね。これからは、嫌な仕事から逃げることを考えるのではなく、仕事を楽しむことを考えるように挑戦してみてください。
仕事はいつでも止められます。しかし、仕事を楽しめない人にとって、どこに行っても人生は最悪ですよ。
ストレスで体調を崩して医者に行ったとして、医者には車(身体)は治せますけれど、ドライバー(心)は管理できないのです。いくら車を完璧に修理しても、ドライバーが下手くそなままだったら、何度でも事故を起こしてしまいます。みんな心の使い方を間違えて、人生で大失敗しているのです。どうしたら仕事を楽しむことができるかと、日々工夫することで、明るく幸福に生きるための「心の使い方」を学んでもらえればと思います。
この施本のデータ
- ブッダの経営論
- ビジネスリーダーの人間力
- 著者:アルボムッレ・スマナサーラ長老
- 初版発行日:2013年