因縁の教え Paticca Samuppādo
順観 Anulomaṃ
- Avijjā① paccayā saṅkhārā②, saṅkhāra paccayā viññāṇaṃ③,
- アヴィッジャー パッチャヤー サンカーラー サンカーラ パッチャヤー ヴィンニャーナン
- ①無明に縁って②行が生じる。行に縁って③識が生じる。
- viññāṇa paccayā nāmarūpaṃ④, nāmarūpa paccayā saḷāyatanaṃ⑤,
- ヴィンニャーナ パッチャヤー ナーマルーパン ナーマルーパ パッチャヤー サラーヤタナン
- 識に縁って④名色が生じる。名色に縁って⑤六処が生じる。
- saḷāyatana paccayā phasso⑥, phassa paccayā vedanā⑦,
- サラーヤタナ パッチャヤー パッソー パッサ パッチャヤー ヴェーダナー
- 六処に縁って⑥触が生じる。触に縁って⑦受が生じる。
- vedanā paccayā taṇhā⑧, taṇhā paccayā upādānaṃ⑨,
- ヴェーダナー パッチャヤー タンハー タンハー パッチャヤー ウパーダーナン
- 受に縁って⑧渇愛が生じる。渇愛に縁って⑨固執が生じる。
- upādāna paccayā bhavo⑩, bhava paccayā jāti⑪,
- ウパーダーナ パッチャヤー バヴォー バワ パッチャヤー ジャーティ
- 固執に縁って⑩有が生じる。有に縁って⑪生が生じる。
- jāti paccayā jarā maraṇaṃ soka parideva dukkha domanassa upāyāsā sambhavanti.
- ジャーティ パッチャヤー ジャラー マラナン ソーカ パリデーワ ドゥッカ ドーマナッサ ウパーヤーサー サンバワンティ
- 生に縁って老、死 、憂愁、悲泣、苦しみ、悩み、落ち込みが現れる。
- Evam etassa kevalassa dukkhakkhandhassa samudayo hoti.
- エーワ メータッサ ケーワラッサ ドゥッカッカンダッサ サムダヨー ホーティ
- このようにして、このすべての苦蘊の生起がある。
逆観 Paṭilomaṃ
- Avijjā yatveva asesa virāga nirodhā saṅkhāra nirodho,
- アヴィッジャー ヤットゥヴェーワ アセーサ ヴィラーガ ニローダー サンカーラ ニロードー
- 無明こそが、余すところなく離れて滅することに縁って行が滅する。
- saṅkhāra nirodhā viññāṇa nirodho, viññāṇa nirodhā nāma rūpa nirodho,
- サンカーラ ニローダー ヴィンニャーナ ニロードー ヴィンニャーナ ニローダー ナーマ ルーパ ニロードー
- 行が滅することに縁って識が滅する。識が滅することに縁って名色が滅する。
- nāma rūpa nirodhā saḷāyatana nirodho, saḷāyatana nirodhā phassa nirodho,
- ナーマ ルーパ ニローダー サラーヤタナ ニロードー サラーヤタナ ニローダー パッサ ニロードー
- 名色が滅することに縁って六処が滅する。六処が滅することに縁って触が滅する。
- phassa nirodhā vedanā nirodho, vedanā nirodhā taṇhā nirodho,
- パッサ ニローダー ヴェーダナー ニロードー ヴェーダナー ニローダー タンハー ニロードー
- 触が滅することに縁って受が滅する。受が滅することに縁って渇愛が滅する。
- taṇhā nirodhā upādāna nirodho, upādāna nirodhā bhava nirodho,
- タンハー ニローダー ウパーダーナ ニロードー ウパーダーナ ニローダー バワ ニロードー
- 渇愛が滅することに縁って固執が滅する。固執が滅することに縁って有が滅する。
- bhava nirodhā jāti nirodho,
- バワ ニローダー ジャーティ ニロードー
- 有が滅することに縁って生が滅する。
- jāti nirodhā jarā maraṇaṃ soka parideva dukkha domanassa upāyāsā nirujjhanti.
- ジャーティ ニローダー ジャラー マラナンソーカ パリデーワ ドゥッカ ドーマナッサ ウパーヤーサー ニルッジャンティ
- 生が滅することに縁って老、死、憂愁、悲泣、苦しみ、悩み、落ち込みが滅する。
- Evam etassa kevalassa dukkhakkhandhassa nirodho hoti .
- エーワ メータッサ ケーワラッサ ドゥッカッカンダッサ ニロードー ホーティ
- このようにして、このすべての苦蘊の滅がある。
歓喜の言葉 Paṭhama udāna
- Aneka jāti saṃsāraṃ sandhāvissaṃ anibbisaṃ
- アネーカ ジャーティ サンサーラン サンダーヴィッサン アニッビサン
- 無数の生涯にわたり、あてどなく輪廻をさまよってきた、
- Gahakārakaṃ gavesanto dukkhā jāti punappunaṃ.
- ガハカーラカン ガヴェーサントー ドゥッカー ジャーティ プナップナン
- 家の作者を探し求めて。更に更にと、生まれ変わるのは苦しいことである。
- Gahakāraka, diṭṭho'si puna gehaṃ na kāhasi,
- ガハカーラカ ディットースィ プナ ゲーハン ナ カーハスィ
- 家の作者(渇愛)よ、汝の正体は見られたり。汝が家屋を作ることはもはやあるまい。
- Sabbā te phāsukā bhaggā gahakūṭaṃ visaṅkhitaṃ
- サッバー テー パースカー バッガー ガハクータン ヴィサンキタン
- 汝の梁(煩悩)はことごとく折れ、家の屋根(無明)は壊れてしまった。
- Visaṅkhāra gataṃ cittaṃ taṇhānaṃ khayam ajjhagā ti.
- ヴィサンカーラ ガタン チッタン タンハーナン カヤマッジャガー ティ
- 形成するはたらき(行)から心は離れ、渇愛を滅ぼし尽くした。
音声ファイル