説法の土台となる経典
「人生力をつける本」の読者です。2週間ほど前、本の表紙にあるメアドに質問メールを送ったのですが、返事をもらえませんでしたので、この場を借りて同じ質問をさせてください。
この本のエピローグで「土台となった経典は専門家でも見出せないかも」とありました。
是非、その経典を教えて頂けないでしょうか?
和訳が出ていれば、自分なりにじっくり読み進めていきたいと思っています。宜しくお願いします。
このような有り難い本をお書きくださったことにとても感謝しています。有難うございます。
返事が大変遅れてしまって申し訳ありません。
実は一つの経典ではなく、沢山の経典の内容を省略して使っています。ピッタリと引用できる場合はそのように致します。又、読者は、「これ本当に、仏陀が言ったことなの?」と疑問を持つだろうと推測できる場合も経典から引用いたします。
専門的に調べる場合は完全に一致するところを探すのは普通なやりかたので、見つからないだろうと言っておいたのです。仏教専門家なら、私が言っていることの意味を理解できると思います。「これはある一つの経典の狙い打ちではなく仏陀の教えを全体的に把握して話していることだ」と。
私は、私の話を、たとえ活字になっても「説法」だと言っています。説法というのは学術的にゼミで発表する研究論文ではなく、日常生活に、いかに役に立つか、どのように実行すればよいのか、という具体的な、実践的な話です。説法があったからこそ、仏教は今まで生き続けているのです。研究も大いに役に立つが、実践性はありません。仏教研究だけなら、考古学と同じくなってしまいます。
従って、一つの経典を示すことはできません。皆様の手に入る初期仏教経典のどちらをお読みになっても似ているところが見つかるでしょう。
ありがとうございます。