智慧の扉

2007年9月号

日々是好日

アルボムッレ・スマナサーラ長老

シンプルに、気楽に生きることは人生のメイン テーマです。私たちはそれを忘れて、物に依存して欲を追い求めます。それに疲れると「欲を捨てなくてはいけない」などと具体性のないことを考えて悩むのです。私たちは何のために行為しているのでしょうか。それは「生きるため」です。「欲をなくす」というと、大それた話になって具体性がなくなるのです。問題を解決できないのです。

「皆と仲良く、ニコニコ明るく生きること」というなら、話は具体的です。『日々是好日』をモットーに、一日一日、挑戦すれば、そのために必要なものは自ずと付いてきます。お金や物に執着する人は、必要なものが得られていないのだから、どんなに豊かでも人生の失敗者です。「明るく生きよう」とする人は精神的に落ち着くのです。精神的に落ち着くと人生がシンプルに気楽になります。どんな境遇にあっても、明るく生きる人こそが人生の成功者です。