凝縮された仏教のエッセンス
「智慧の扉」は、機関誌パティパダーの巻頭に毎号掲載されている、スマナサーラ長老による読み切りのコラムです。見開き2ページの短い文章の中に、お釈迦さまの教えがギュッと詰め込まれています。短い時間で読めますので、ちょっとした待ち時間などにも触れてみてください。くり返し読むことで、きっとまた新しい発見があると思います。
新着記事
- 2021年12月号(181)
- 2024年6月21日
人に教えるにはウペッカー(捨)が必要です
他人を自分の希望どおりに直すことはできません。世界は個人個人で成り立っているのです。人間関係とは、人の個性を侵害せず、平和と調和を保つことです。子育てという仕事を分析す […]
- 2021年11月号(180)
- 2024年6月21日
無常は他人事ではない
人間の抱えるどんな問題も、無常に逆らうことから始まるのです。無常という真理は、悲観的でも楽観的でもない普遍法則です。人は「世の中に悲しい出来事が起きる」と思っています。 […]
- 2021年10月号(179)
- 2024年1月17日
幸福になるための四条件(下)「自己制御と、前もって準備すること」
※前回に続いて、人生を幸福に導くための四つの条件を紹介します。 第三の条件は、「自己制御」です。道徳を守って、自分で自分の行動や感情が暴走してしまわないよう制御すること […]
智慧の扉インデックス
2018年8月号
ゆるすこと、捨てること
「ゆるす」と「捨てる」の違いはなんでしょう?「捨てる」ことに成功すると、「ゆるす」ということは成り立たなくなります。ゆるすということは、捨てることに挑戦する前段階、準備な […]
2018年9月号
預流果に達する法の聞き方
今すぐに預流果に達してください。これは先延ばしにすることはできません。私たちが瞑想しているといっても、なんとかやっているだけで、真剣にはなっていません。それと日常の下ら […]
2018年10月号
仏教は世界三大宗教と言えるのか?
「お釈迦さまの教え(仏教)」は世界三大宗教のひとつであると言われているそうです。しかし、宗教とは、「あなたとわたしは違うものだ」と差別する世界です。「汝より我は優れている […]
2018年11月号
命の根源的な矛盾
仏教では、私たちの身体が「地水火風」という基本的な四つのエネルギーで成り立っていると説きます。誰にでもわかるシンプルな言葉で、「この身体は土(地)と水と火と風であると観 […]
2018年12月号
タイトルに騙されないこと
タイトルとは何でしょうか? たとえば、本を手に取ってみてください。派手なタイトルがついています。『物理学の基礎知識』というぶ厚い本にしましょう。タイトルは理解できます。 […]
2019年1月号
無数の「わたし」に出会うとき
「わたし」とは、決して一人ではありません。自分と呼ばれる現象のなかには、たくさんの「わたし」がいるのです。たとえば、他人の話を聞いているとしましょう。ひとの話を聞いている […]
2019年2月号
感覚の仕組みを解き明かせ
生命は輪廻転生し、終わりなく苦しみ続けます。その恐ろしい苦しみのサイクル・循環から脱出するためには、暗号・カギを解かなくてはいけないのです。その暗号・カギとは、「ヴェー […]
2019年3月号
身体という道具のプロになりましょう
仏教では、身体はこころが使う道具に過ぎない、としています。道具に執着するのは愚かですが、道具を粗末にするのも間違っています。せっかく与えられた道具は、上手に使わなくては […]
2019年4月号
因縁の発見と、今ここにあること
いわゆる「覚り」は四段階で起こります。智慧を開発して、輪廻から完全に卒業するためには、どうしても四段階というステップを踏まないといけないのです。そこでパーリ経典に度々出 […]
2019年5月号
自我という病の発病を防ぐ
すべての生命・人間に自我の錯覚があります。私たち一人ひとりに、個人としての感情・見方(主観)・意見・判断があります。自分の意見を外に出せず、黙っている人もいます。これは […]
2019年6月号
人の意見を巧みに聞くコツ
人の意見を聞くということは難しいのです。どんな相手の意見であっても、反対も賛成もせず聞いてみること。そして、なぜそのような意見になったのかと原因・因果関係をじっと考察し […]
2019年7月号
心のネットワークと業の法則
いま・ここで生きている「自分」とは、生命のネットワークに繋がってエネルギーを供給されているひとつのユニットに過ぎません。ネットワークとは、異なるユニットの繋がりです。例 […]
2019年8月号
自己愛を慈悲に育てる道筋
自己愛・エゴ(自我)というのは生命の本能であって、悟らない限り消すことはできません。生命は一番自分を愛しているのです。皆、他者に対する慈しみ(慈悲喜捨)を理解できないの […]
2019年9月号
ブッダの教えは生きている
お釈迦さまが涅槃に入られる前に「私が涅槃に入ったら、師が居なくなったと思うでしょう。しかし、そうではありません。私によって示され、制定されたDhamma(ダンマ)とVi […]
2019年10月号
各自で証すべき真理
正覚者の説かれた真理の教え(法)には、六つの特色があると説かれます。その中のひとつに「賢者たちによって各自で覚られるべき」(Paccattaṃ veditabbo vi […]
2019年11月号
心は常に依存症
瞑想する人には、手強い敵が立ち塞がります。それはkāmacchanda【カーマッチャンダ】(愛欲) 、欲を好むという障碍です。具体的には、この欲界で眼耳鼻舌身に触れる色 […]
2019年12月号
さよなら、マイ・ストーリー
私たちは生まれてから現在に至るまで、「自分の世界」を作って生きています。その自分の世界を他人は知らないのです。赤ちゃんのときから外の情報、五根(眼耳鼻舌身)に触れた情報 […]
2020年1月号
輝く「自尊心」をつくる四つの実践
誰からも好かれる、信頼される人間になるための、四つの実践項目(四摂事)があります。一番目「dāna 施し」です。意味は、人を助けることです。仕事をして給料をもらうことは […]
2020年2月号
心は真理を拒絶する
私たち人類はいつでも仏教に反対・反論したいと思っているのです。これはかなり強烈な衝動です。異教徒の人々が武器を持ってテロを仕掛けてくるというならば、まだ話は簡単です。厄 […]
2020年3月号
汚れの発生源
自分の手が汚れていると、何を触っても汚れてしまいます。汚れたことに嘆いても、自分の手が原因であることに誰一人も気づきません。そのように心は自我の錯覚(自我の実感)で汚れ […]