智慧の扉

凝縮された仏教のエッセンス

「智慧の扉」は、機関誌パティパダーの巻頭に毎号掲載されている、スマナサーラ長老による読み切りのコラムです。見開き2ページの短い文章の中に、お釈迦さまの教えがギュッと詰め込まれています。短い時間で読めますので、ちょっとした待ち時間などにも触れてみてください。くり返し読むことで、きっとまた新しい発見があると思います。

新着記事

  • 2022年2月号(183)

他人をジャッジしない修行

 人間はいつでも「我は完璧だ」という態度で生きています。パートナーや子供がわがままだから私は毎日つらいのだ、職場の人々が親切ではないから私は不幸なのだ、という具合に、「悪 […]

  • 2022年1月号(182)

すべての問題を解く鍵

 人生にはいろいろな問題が起こります。しかし、どんな問題にも乗り越える方法があるのだと仏教は言います。なぜならば、いかなる問題も原因があって現れたものだからです。その原因 […]

  • 2021年12月号(181)

人に教えるにはウペッカー(捨)が必要です

 他人を自分の希望どおりに直すことはできません。世界は個人個人で成り立っているのです。人間関係とは、人の個性を侵害せず、平和と調和を保つことです。子育てという仕事を分析す […]

智慧の扉インデックス


2018年8月号

ゆるすこと、捨てること

「ゆるす」と「捨てる」の違いはなんでしょう?「捨てる」ことに成功すると、「ゆるす」ということは成り立たなくなります。ゆるすということは、捨てることに挑戦する前段階、準備な […]

2018年9月号

預流果に達する法の聞き方

 今すぐに預流果に達してください。これは先延ばしにすることはできません。私たちが瞑想しているといっても、なんとかやっているだけで、真剣にはなっていません。それと日常の下ら […]

2018年10月号

仏教は世界三大宗教と言えるのか?

「お釈迦さまの教え(仏教)」は世界三大宗教のひとつであると言われているそうです。しかし、宗教とは、「あなたとわたしは違うものだ」と差別する世界です。「汝より我は優れている […]

2018年11月号

命の根源的な矛盾

 仏教では、私たちの身体が「地水火風」という基本的な四つのエネルギーで成り立っていると説きます。誰にでもわかるシンプルな言葉で、「この身体は土(地)と水と火と風であると観 […]

2018年12月号

タイトルに騙されないこと

 タイトルとは何でしょうか? たとえば、本を手に取ってみてください。派手なタイトルがついています。『物理学の基礎知識』というぶ厚い本にしましょう。タイトルは理解できます。 […]

2019年1月号

無数の「わたし」に出会うとき

「わたし」とは、決して一人ではありません。自分と呼ばれる現象のなかには、たくさんの「わたし」がいるのです。たとえば、他人の話を聞いているとしましょう。ひとの話を聞いている […]

2019年2月号

感覚の仕組みを解き明かせ

 生命は輪廻転生し、終わりなく苦しみ続けます。その恐ろしい苦しみのサイクル・循環から脱出するためには、暗号・カギを解かなくてはいけないのです。その暗号・カギとは、「ヴェー […]

2019年3月号

身体という道具のプロになりましょう

 仏教では、身体はこころが使う道具に過ぎない、としています。道具に執着するのは愚かですが、道具を粗末にするのも間違っています。せっかく与えられた道具は、上手に使わなくては […]

2019年4月号

因縁の発見と、今ここにあること

 いわゆる「覚り」は四段階で起こります。智慧を開発して、輪廻から完全に卒業するためには、どうしても四段階というステップを踏まないといけないのです。そこでパーリ経典に度々出 […]

2019年5月号

自我という病の発病を防ぐ

 すべての生命・人間に自我の錯覚があります。私たち一人ひとりに、個人としての感情・見方(主観)・意見・判断があります。自分の意見を外に出せず、黙っている人もいます。これは […]

2019年6月号

人の意見を巧みに聞くコツ

 人の意見を聞くということは難しいのです。どんな相手の意見であっても、反対も賛成もせず聞いてみること。そして、なぜそのような意見になったのかと原因・因果関係をじっと考察し […]

2019年7月号

心のネットワークと業の法則

 いま・ここで生きている「自分」とは、生命のネットワークに繋がってエネルギーを供給されているひとつのユニットに過ぎません。ネットワークとは、異なるユニットの繋がりです。例 […]

2019年8月号

自己愛を慈悲に育てる道筋

 自己愛・エゴ(自我)というのは生命の本能であって、悟らない限り消すことはできません。生命は一番自分を愛しているのです。皆、他者に対する慈しみ(慈悲喜捨)を理解できないの […]

2019年9月号

ブッダの教えは生きている

 お釈迦さまが涅槃に入られる前に「私が涅槃に入ったら、師が居なくなったと思うでしょう。しかし、そうではありません。私によって示され、制定されたDhamma(ダンマ)とVi […]

2019年10月号

各自で証すべき真理

 正覚者の説かれた真理の教え(法)には、六つの特色があると説かれます。その中のひとつに「賢者たちによって各自で覚られるべき」(Paccattaṃ veditabbo vi […]

2019年11月号

心は常に依存症

 瞑想する人には、手強い敵が立ち塞がります。それはkāmacchanda【カーマッチャンダ】(愛欲) 、欲を好むという障碍です。具体的には、この欲界で眼耳鼻舌身に触れる色 […]

2019年12月号

さよなら、マイ・ストーリー

 私たちは生まれてから現在に至るまで、「自分の世界」を作って生きています。その自分の世界を他人は知らないのです。赤ちゃんのときから外の情報、五根(眼耳鼻舌身)に触れた情報 […]

2020年1月号

輝く「自尊心」をつくる四つの実践

 誰からも好かれる、信頼される人間になるための、四つの実践項目(四摂事)があります。一番目「dāna 施し」です。意味は、人を助けることです。仕事をして給料をもらうことは […]

2020年2月号

心は真理を拒絶する

 私たち人類はいつでも仏教に反対・反論したいと思っているのです。これはかなり強烈な衝動です。異教徒の人々が武器を持ってテロを仕掛けてくるというならば、まだ話は簡単です。厄 […]

2020年3月号

汚れの発生源

 自分の手が汚れていると、何を触っても汚れてしまいます。汚れたことに嘆いても、自分の手が原因であることに誰一人も気づきません。そのように心は自我の錯覚(自我の実感)で汚れ […]