智慧の扉

凝縮された仏教のエッセンス

「智慧の扉」は、機関誌パティパダーの巻頭に毎号掲載されている、スマナサーラ長老による読み切りのコラムです。見開き2ページの短い文章の中に、お釈迦さまの教えがギュッと詰め込まれています。短い時間で読めますので、ちょっとした待ち時間などにも触れてみてください。くり返し読むことで、きっとまた新しい発見があると思います。

新着記事

  • 2021年10月号(179)

幸福になるための四条件(下)「自己制御と、前もって準備すること」

※前回に続いて、人生を幸福に導くための四つの条件を紹介します。  第三の条件は、「自己制御」です。道徳を守って、自分で自分の行動や感情が暴走してしまわないよう制御すること […]

  • 2021年9月号(178)

幸福になるための四条件(上)「生きる環境を選び、良い人間関係をつくること」

 ブッダは、人生を幸福に導くための四つの条件を説かれました。今回はそのうちの二つを紹介します。  第一は「環境」です。〈ふさわしい地域に住むこと〉と理解しても構いません。 […]

  • 2021年8月号(177)

心の産廃を処分する方法

 認識は眼耳鼻舌身という五根から始まるのですが、それらを「意」でまとめる時にトラブルを起こします。意が眼耳鼻舌身それぞれから入る情報をひとまとまりの「実体」として捏造する […]

智慧の扉インデックス


2015年4月号

セルフマネジメントの要諦

 生きているなら、幸せになりたいと思うのは当然です。だったら、まずセルフマネジメントが必要です。そのために理解するべき4つのことがあります。  我々が行動・判断する場合は […]

2015年5月号

押し寄せる八つの波

 この世の中では、常に八つの現象が回転しています。これを波に譬えてみます。荒波・津波に持ち堪えられれば人生は大丈夫でしょう。常に起こっている八種類の波とは、『①得、②損、 […]

2015年6月号

影響力の不思議

 ひとから「影響を受ける」というのは、ある特定の人の生き方を真似ることなのです。私たちはお釈迦さまの教えを学び・実践して、お釈迦さまを真似しようと頑張って、善い人間になっ […]

2015年7月号

こころ豊かになる道

「あげる(お布施)」とは、どういうことでしょうか? これは命あるものの“義務”なのです。「あげる」ということは、偉そうに言っているような道徳的なことではありません。私が生 […]

2015年8月号

“失敗”は自分の師匠

 人生で一番ありがたいものは、失敗です。世間では、失敗は絶対に嫌だと思っています。人間がいくら踏ん張ってみても、失敗せずに生きることはできません。しかし、私たちの気持ちは […]

2015年9月号

穏やかな心を育てるチェックポイント

「怒り」というものがあります。姑さんがお嫁さんに怒る。なぜ怒るのでしょうか? 姑さんが自分勝手に「嫁はこうであるべき」と決めつけているからなのです。自分が決めた「こうであ […]

2015年10月号

欲から貧乏がはじまる

「欲」というのは豊かさの反対のものです。欲しい、欲しいと思うのは貧乏人でしょう。豊かな人は別に何とも思いません。ですから、何か私たちが切望し期待しているなら、そのポイント […]

2015年11月号

修行のゴールは無執着

 仏教でいう「一切(=世界)」とは、眼・耳・鼻・舌・身体・意(こころ)という6つの感覚器官と、その感覚器官の対象である6つの色・声・香・味・触・法(意に入る情報)のことで […]

2015年12月号

人生を幸福にアレンジメントする

「フラワー アレンジメント」というものがあります。日本では、「生け花」と言いますね。花屋さんが大量の花を買ってきます。買ってきた束の花は、ただの花であって何の美しさも感じ […]

2016年1月号

“祈り”のしくみ

「祈り」というものは古くからある習慣です。意味としては、希望・願望・期待ということです。祈ること自体は、宗教に関係なく人間はやっています。宗教では祈ることが主な行為です。 […]

2016年2月号

思考の管理で、心を癒す

 貪瞋痴という三大煩悩は私たちの人生を不幸にする根本原因です。しかしこの三大煩悩に、簡単にアクセスして取り除くことは難しいのです。私たちは、欲張らないようにするぞ! 怒ら […]

2016年3月号

知識は素晴らしいものでしょうか

 私たちが知識を得る狙いとは何でしょうか?「私は事実を知りたい」「本当のことを知りたい」というのはウソです。もし私たちが事実を知りたければ、本当のことを知りたければ、主観 […]

2016年4月号

性格を直すキーワードは“素直”

 私たちはいつでも「自分が正しい」という態度をとっています。試みに、これを意識的に認めてみてください。自分自身で「いつも自分が正しいという生き方をしている」と敢えて意識化 […]

2016年5月号

ブッダとは、真理の教えと正しい生き方

 仏教では、お釈迦さまというのは父親です。父親とは怖い存在ですか? まあ少しは怖いのですが、こちらのことを心配して、ちょっと厳しいことを言ってくれているだけ。父親は紛れも […]

2016年6月号

業というガソリンを正しく燃やす

 カルマ・業というのは自分の思考がつくる結果です。あなたのこれまでの思考があなたのいまを作っているのです。あなたはそこから逃げられません。しかし、それからまた清らかな思考 […]

2016年7月号

「これでいい」という諸刃の剣

「生きる」ということ自体、大変疲れる作業です。頑張り続けても、終わり・終了はありません。ですから、「怠けたい」という気持ちが自然に生じるのです。私たちは「生かされている」 […]

2016年8月号

聖なる理性と死の観察

 一応、人間にも理性と言えそうなものが備わっています。だからこそ、世の中に科学や数学などがあるのです。さまざまな学問分野のなかでも、理系の学問はおおむね論理的にできていま […]

2016年9月号

不浄を観る

 誰も自分の肉体が不浄であると思っていません。強い愛着があります。こころは肉体を褒め称えて、「価値のあるものだ」とするのです。みんな、いろんな健康法を試していますね。それ […]

2016年10月号

こころの弱みを正反対に転換する

 自分に悪い性格、こころの弱みがあったとしても、まったく反対の性格に置き換えてしまうことができるのです。これはよく理解してほしいポイントです。  人間の性格には、裏と表が […]

2016年11月号

菩提心という、自由の火種

 菩提心とは、大乗仏教で重要視されている言葉です。この単語を宗教的な解釈を離れて、心理学的な観点から定義してみたいと思います。菩提心はサンスクリット語で「ボーディ・チッタ […]